【OM-1 Mark II】おすすめのレンズを一挙紹介!

【最高の中判カメラ】ハッセルブラッドX2DIIを徹底レビュー:進化と洗練が織りなす極上の撮影体験

【最高の中判カメラ】ハッセルブラッドX2DIIを徹底レビュー:進化と洗練が織りなす極上の撮影体験

ハッセルブラッドの最新作「X2DII」は、写真愛好家にとって待望のモデルであり、その革新的な機能と洗練されたデザインは、まさに「エレガント」という言葉がふさわしい逸品です。今回は、このX2DIIと同時に登場した大三元ズームレンズ「XCD 35-100mm」のレビューを中心に、その魅力と性能を深く掘り下げていきます。

たかし

ハッセルブラッドは中判カメラの最高峰の一つだよね!

目次

洗練された外観と操作性の進化

X2DIIのボディは、前作X2Dから約45g軽量化され、全面のロゴが黒く刻印されたマット塗装の墨色に近い新デザインとなりました。開封時の新しい限定アニメーションは、これからの撮影体験への期待感を高めます。スキンテクスチャも変更され、滑りにくい高品位なグリップは、他のカメラにはない魅力的な存在感を放ちます。

最も大きく変わった操作性の一つは、ジョイスティックの搭載です。ボディ全面に配置された5方向操作可能なジョイスティックは、フォーカスポイントの高速移動やメニュー選択に非常に便利です。

ただし、斜め方向の8方向操作には対応していない点は惜しまれます。

本体の背面ダイヤルと全面ダイヤルは押し込み可能で、カスタム機能を割り当てて操作できます。

モニターは3.6インチの超高画質ディスプレイで、下方向だけでなく上方向にもフリップ可能となり、ファインダーへの干渉が解消されました。ピーク輝度は1400nitsに向上し、屋外での視認性と操作性が大幅に向上しています。

圧倒的な高解像度ファインダーと内蔵SSD

X2DIIの大きな魅力の一つが、約576万ドットの高解像度ファインダーです。特筆すべきはそのファインダー倍率で、なんと脅威の1.0倍を実現しています。これは、65mmの中判レンズ使用時に肉眼で見た大きさとほぼ同等であり、圧倒的な没入感と臨場感を提供し、ファインダー越しに広がる世界そのものを体験できます。わずかにパープルフリンジのような滲みが見られる場合がありますが、実際の撮影データには影響なく、撮影中に気になるレベルではありません。

接続端子は、急速充電とデータ転送に対応したUSB-Cポート、リモート制御可能なマイク入力、CF Type Bカードスロットと非常にシンプルです。ハッセルブラッドのRAWファイルは1枚あたり約200MBと大容量のため、大容量ストレージが必須となります。X2DIIには、1TBの内蔵SSDが搭載されており、約4700枚のRAW写真を記録可能です。これにより、記録メディアを忘れた際でも安心して撮影を続けられ、書き込み速度最大2370MB/s、読み込み速度最大2850MB/sという高速性も快適な撮影体験に貢献しています。

中判センサーの描写力と進化するAF・手ブレ補正

X2DIIと907Xに搭載されている中判センサーは、約44mm×33mmの4:3サイズで、一般的な35mmフルサイズセンサー(36mm×24mm)の約1.7倍の面積を持ちます。これにより、フルサイズセンサーよりも約70%多くの光を取り込むことができ、最高レベルの画質と解像度、ディテールを備えた写真を提供します。35mm換算のクロップファクターは約0.78倍で、例えば新しい35-100mmレンズは実際には28-76mm相当の画角となります。また、同じF値でもボケが異なり、ハッセルブラッドのF2.8はフルサイズ換算でF2.2相当となり、ポートレートなどで空気感のある滑らかなボケ表現が可能です。1億画素の高解像度は、トリミング耐性においても有利で、様々なアスペクト比(16:9、9:16、3:2、1:1)だけでなく、ハッセルブラッドXPanのような65:24のパノラマ写真も再現できます。

今回のX2DIIで最も進化した点の一つはAF性能です。従来のコントラストAFに加え、LiDAR技術を用いた連続オートフォーカス(AFC)をサポートし、走行中の車両や人物、動物などの移動する被写体を安定して捉えることが可能になりました。測距点は425点に向上し、全面をカバーするLiDAR技術により、AFC撮影が可能です。認識精度と速度は明らかに向上していますが、動物などの不規則な動きをする被写体認識はまだ完璧ではないと感じる部分もあります。また、連写速度は最大で秒間3コマで、被写体検出モードをオートにすることはできません。AFCに対応するレンズも限られており、電子シャッター使用時にはAFCを利用できません。

手ブレ補正性能も飛躍的に向上

5軸10段の強力なボディ内手ブレ補正により、あらゆるシーンで手持ち撮影が可能になりました。前作X2Dの5軸7段から約3段分の効果向上となり、理論上はシャッター速度を約4秒まで落として撮影できるほどの強力さです。これはあくまで理論値ですが、実際の使用においても非常に優秀であり、落ち着いた撮影スタイルであれば問題なく、スローシャッター表現も楽しめます。

ハッセルブラッド独自のカラーサイエンス「HNCS」

X2DIIは、この時代において珍しくカラープロファイルを一切搭載していません。ハッセルブラッドが目指すのは「再現」であり「創作」ではありません。その根底にあるのが、独自開発されたカラーマネジメントシステム「HNCS(Hasselblad Natural Color Solution)」です。これは、撮影から編集に至るまで、現実により忠実で正確な色を再現することを目的としています。

筆者が最も感動するのは、1億画素という解像度だけでなく、その写真が映し出す正確な色味と、他のどのカメラよりも正確に測定するホワイトバランスです。様々な照明が交差するような難しい状況でも、ハッセルブラッドのオートホワイトバランスは、まさに目で知覚するそのままの色合いを再現することを目指します。

この美しい色表現を実現する鍵は、「色深度」と「ダイナミックレンジ」にあります。X2DIIは、カメラ業界でも最高品質の情報を取得可能で、16ビットの色深度と15.3ストップのダイナミックレンジを誇ります。16ビットの色深度は、12ビットRAWの約4096倍もの色情報、すなわち約281兆色を記録できます。さらに向上した15.3ストップのダイナミックレンジは、シャドウ部分の階調を細部まで残し、明暗の激しい環境下でも正確に撮影・編集を可能にします。

この莫大な色情報と1億画素のデータは、A4サイズを遥かに超えるような大型印刷においても、髪の毛のディテールや山々の木々一本一本を鮮明に残せるほどの解像度を提供し、「HNCS」が目指す「現実で見た景色や条件をそのままアナログで保存する」ことを実現します。

中判カメラとしては初となるHDR撮影も実現し、15.3ストップのハイダイナミックレンジ写真を記録し、カメラ内でHDRまたはUltra HDR JPEGとして処理できます。1400nitsのモニターでプレビュー可能なほか、Phocus Mobileアプリと接続して編集、保存、アップロードも可能です。

新レンズ「XCD 35-100mm」の性能と使い勝手

今回新たに登場した「XCD 35-100mm」レンズは、広角側でF2.8、望遠側でもF値を維持する大三元ズームレンズです。フルサイズ換算で約28-76mm相当の画角をカバーし、XCD 20-35mmレンズと組み合わせることで、換算約16mmから76mmという広範囲をカバーできるようになります。

ズームを戻す際にF値が自動的に開放側に変動する仕組みは、ユーザーにとって非常に使いやすいと評価されています。XCD 20-35mm Eレンズにはなかったコントロールリングも搭載され、好みの機能を割り当てて素早く操作できるため、操作性も向上しました。シャッタースピードは最大1/4000秒、レンズ構成は13群16枚です。フィルター径が86mmと大きいため、工夫が必要かもしれません。ズーム時に鏡筒が約4cm伸びる仕様で、見た目はかなり大きく感じられますが、900gを切る重量でこのスペックは非常に完成度が高いと言えます。

このレンズは、広角側から望遠まで広い範囲での撮影を可能にしながら、どの焦点距離においてもまるで単焦点レンズレベルの画質を実現します。キレのある描写と上品なボケ味、そしてレンズ本体の高級感は、使う者に感動を与える一本となるでしょう。

総合的な撮影体験と考慮点

ハッセルブラッドのカメラは、画質だけでなく、撮影体験も非常に綿密に考えられています。例えば、X2DIIのストラップ部分はワンタッチでオリジナルストラップを着脱できる仕組みで、スムーズな運用が可能です。充電中はフルカラーのトップモニターにバッテリー残量が表示され、電源ボタンを1回押すだけでスリープモードにできるのも便利です。さらに、電源が切れた状態でもスマートフォンからカメラの電源を起動させ、Phocus Mobileアプリと接続できるため、移動中にカメラバッグに入れたままでも写真の編集や共有が可能です。

XCDレンズはレンズシャッターを採用しているため、ストロボ撮影時にどのシャッター速度でもストロボと完全同調できる点が大きなメリットです。これは、動きの速い被写体をフラッシュで撮影する際や、日中シンクロ、強い照明環境下でのポートレート撮影に非常に便利で、初心者でも開放での人物撮影などを楽しめます。

一方で、いくつかの考慮点もあります。X2DIIの価格はボディが約115万円、XCD 35-100mmレンズが約71万円と、合わせて200万円弱という高額さです。また、動画撮影機能は一切なく、前述の通りカラープロファイルもありません。低照度下での撮影時、AF半押しで画面が少し明るくなる現象があり、実際のデータには影響しないものの、ストレスを感じる場面がありました。1億画素を活かしたテレコン機能はなく、クロップ機能のみで、クロップなしで撮影したRAWデータは1枚約200MBにもなるため、50MPなどの解像度を減らすテレコン撮影にも対応してほしいという意見もあります。

結論

ハッセルブラッドX2DIIは、まさに「エレガント」なカメラであり、その上品で洗練された撮影体験は、肉眼よりも美しく印象的な写真を残すことを可能にします。多大な色情報と1億画素の高解像度、そして進化したAFと強力な手ブレ補正は、プロの要求に応える最高峰の画質を提供します。高価であるため誰もが簡単に購入できるわけではありませんが、このカメラで写真を撮ることは「何か素晴らしい作品を残さなければならない」という良い意味でのプレッシャーを感じさせる存在でもあります。

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